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睡眠時無呼吸症候群とは?
睡眠時無呼吸症候群(SAS: Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に呼吸が一時的に止まる、または著しく浅くなる疾患です。これにより十分な酸素が体に供給されず、睡眠の質が大きく低下します。放置すると健康リスクが増大し、生活の質を著しく損なうことがあります。
どんな人が睡眠時無呼吸症候群になりやすい?
1. 肥満の人
特に首回りや喉に脂肪が蓄積している場合、気道が狭くなりやすく、無呼吸のリスクが高まります。BMIが高い人ほど発症リスクは上昇します。
2. 年齢が中高年の人
加齢による筋力低下や脂肪の付き方の変化が原因で、気道が閉塞しやすくなります。
3. 性別
男性に多く見られる疾患ですが、閉経後の女性もホルモンの影響で発症リスクが増加します。
4. 遺伝的要因
家族に睡眠時無呼吸症候群の人がいる場合、遺伝的な体質や骨格の影響で発症しやすい可能性があります。
5. アルコールや睡眠薬の使用
これらの物質は喉の筋肉を弛緩させるため、気道が閉塞しやすくなります。
6. 特定の顔面骨格や鼻の構造
下顎が小さい、顎が後退している、または鼻中隔弯曲などの形状異常がある場合、気道が狭まりやすくなります。
睡眠時無呼吸症候群の改善方法
1. 生活習慣の改善
- 体重を減らす
肥満が原因の場合、体重を5~10%減らすだけでも症状が大幅に改善することがあります。 - 禁煙
喫煙は喉の炎症や腫れを引き起こし、気道を狭める要因になります。 - アルコールや睡眠薬の使用を控える
寝る前のアルコール摂取を控えることで、筋肉の弛緩を防ぎます。
2. 寝る姿勢を工夫する
仰向けで寝ると気道が塞がれやすいので、横向きで寝る習慣をつけると効果的です。抱き枕の使用もおすすめです。
3. CPAP治療(持続陽圧呼吸療法)
専用の機械を使って気道に空気を送り込み、閉塞を防ぐ治療法です。重症の人には非常に有効とされています。
4. マウスピース治療
軽症や中等症の場合、下顎を前に出す形状のマウスピースを装着することで気道を広げる治療法があります。
5. 手術
骨格や鼻中隔弯曲などが原因の場合、手術によって物理的に気道を広げる選択肢があります。
睡眠時無呼吸症候群を放置するデメリット
1. 日中の眠気や集中力の低下
十分な睡眠が取れないため、日中に強い眠気を感じ、仕事や学業のパフォーマンスが低下します。
2. 生活習慣病のリスク増加
高血圧、糖尿病、心疾患(心筋梗塞や不整脈)との関連が指摘されています。特に無呼吸状態が長く続くと、酸素不足が全身に悪影響を及ぼします。
3. 交通事故のリスク
眠気による注意力の低下で運転中の事故が起こりやすくなります。睡眠時無呼吸症候群は社会的な問題とも言えます。
4. 精神的な問題
睡眠不足が慢性化することで、うつ病や不安障害のリスクも高まります。
5. 寿命の短縮
重度の睡眠時無呼吸症候群を放置すると、心血管系の疾患により寿命が短くなる可能性があります。
まとめ:早期発見と治療がカギ
睡眠時無呼吸症候群は、誰にでも起こり得る疾患ですが、特に肥満や生活習慣が影響するケースが多いです。症状に気付いたら、まずは専門の医師に相談することが大切です。生活習慣の改善や適切な治療を受けることで、症状は大幅に改善し、健康な生活を取り戻すことができます。
「いびきがひどい」「日中の眠気が取れない」といった悩みがある場合、放置せずに一度医療機関で診察を受けてみてはいかがでしょうか?」