
「ポーカーのプリフロップでは、どのハンドでレイズすればいいの?」
「GTOのハンドレンジ表を見ても、記号が多くてよく分からない…」
そんな疑問を持っていませんか?
ポーカーのプリフロップでは、自分のポジションによってプレイできるハンドの範囲が変わります。
GTO戦略を参考にすると、どのハンドで参加するかを考える基準が分かります。
この記事では、8人卓のプリフロップレンジ表を使いながら、ポジション別の基本レンジ・記号の読み方・実際の使い方3つを初心者向けに解説します。
GTOのプリフロップレンジ表とは?
GTO(Game Theory Optimal)は、ゲーム理論に基づき、相手に一方的に攻略されにくい戦略を考えるための理論です。
ポーカーでは、レイズ・コール・フォールドなどのアクションをバランスよく組み合わせる際の基準になります。
ただし、GTOを理解すれば必ず勝てるというわけではありません。
実際には、相手の行動やゲームの条件によって判断を調整する必要があります。
GTOの考え方をさらに詳しく知りたい方は、ポーカー戦略:ナッシュ均衡とその応用も参考にしてください。
ハンドレンジとは?

ハンドレンジとは、プレイヤーが持っている可能性のある手札の範囲のことです。
例えば、AA・KK・AKだけでプレイする人と、低いポケットペアやスーテッドカードでも参加する人では、ハンドレンジが異なります。
プリフロップレンジ表は、ポジションや状況ごとに、どのハンドをどのくらいの頻度でプレイするかを整理したものです。
ハンドレンジ表の記号の読み方
最初に、次の記号を覚えましょう。

| 表記 | 意味 | 具体例 |
|---|---|---|
| AA | Aのポケットペア | A♠ A♥ |
| AKs | 同じスートのAK | A♠ K♠ |
| AKo | 異なるスートのAK | A♠ K♦ |
| AJs+ | AJ・AQ・AKのスーテッド | A♠ J♠など |
| AQo+ | AQ・AKのオフスート | A♠ Q♦など |
| 55+ | 55からAAまでのポケットペア | 5♠ 5♥など |
「s」はスーテッド(同じスート)、「o」はオフスート(異なるスート)です。
また、レンジ表には13×13のマス目が使われることがあります。
対角線にはポケットペア、対角線の上側にはスーテッド、下側にはオフスートが配置されます。
色はレイズ・コール・フォールドなどのアクションを表しますが、使用するツールによって異なります。
【8人卓40bb】GTO基準のプリフロップ・オープンレイズレンジ表
ここからは、実際のプリフロップレンジを見ていきましょう。
重要なのは、レンジ表はどのゲームでも共通ではないということです。
キャッシュゲームとトーナメントでは、スタックやレーキ、アンティなどの条件が異なります。
今回は、次の条件を例にします。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| ゲーム形式 | テキサスホールデム・トーナメント |
| プレイヤー数 | 8人(8-max) |
| スタック | 全員40bb |
| ブラインド | SB 0.5bb/BB 1bb |
| アンティ | BBが1bbを追加 |
| オープンサイズ | 通常2bb/SBは3bb |
| 対象 | 自分より前の全員がフォールドした場面 |
| 評価基準 | チップEV(ICMは考慮しない) |
※bbはビッグブラインドを表す単位です。
以下の数値とレンジは、この条件におけるソルバー計算結果をもとにしています。異なる条件での最適解を保証するものではありません。
ポジションごとの基本的な考え方
8人卓では、次のポジションがあります。

| ポジション | 特徴 |
|---|---|
| UTG | ブラインドを除いて最初に行動 |
| UTG+1 | UTGの次に行動 |
| LJ(ロージャック) | 中盤のポジション |
| HJ(ハイジャック) | COの1つ前 |
| CO(カットオフ) | BTNの1つ前 |
| BTN(ボタン) | フロップ以降は通常、最後に行動できる |
| SB | ブラインドを支払う。不利なポジション |
| BB | ビッグブラインドを支払う |
一般に、UTGなどの早いポジションでは、後ろに多くのプレイヤーが残っているため、参加するハンドを慎重に選びます。
一方、BTNに近づくほど参加できるハンドは広がりやすくなります。
ポジションがなぜ重要なのかは、ポーカーにおけるポジションの優位性と活用方法でも解説しています。
ポジション別のオープンレイズ率・早見表
オープンレイズとは、自分より前のプレイヤーが全員フォールドしている場面で、最初にレイズすることです。
まずはポジションによる違いを一覧で確認しましょう。
| ポジション | レイズする割合 |
|---|---|
| UTG | 約17% |
| UTG+1 | 約21% |
| LJ | 約24% |
| HJ | 約28% |
| CO | 約37% |
| BTN | 約52% |
| SB | 約33% |
| BB | 対象外 |
※SBにはレイズ以外にリンプ戦略があります。BBはすでにブラインドを支払っているため、このオープンレイズ表の対象外です。
この条件では、UTGのレイズ率は約17%ですが、BTNでは約52%まで広がります。
つまり、同じ手札でも、UTGとBTNでは適切な選択が異なることがあります。
ポジション別の具体的なハンドレンジ表
次は、具体的なレイズ対象を確認しましょう。
以下は、ソルバーが主にレイズを選択するハンドを、ポケットペア・スーテッド・オフスートに分けたものです。
UTG|レイズ率約17%

- ペア:55+
- スーテッド:A3s+、K8s+、Q9s+、J9s+、T8s+
- オフスート:ATo+、KJo+
※98sも一部の頻度でレイズされますが、主な選択はフォールドです。
UTG+1|レイズ率約21%

- ペア:55+
- スーテッド:A2s+、K7s+、Q9s+、J8s+、T8s+、98s、87s、76s、65s
- オフスート:ATo+、KTo+、QJo
LJ|レイズ率約24%

- ペア:44+
- スーテッド:A2s+、K5s+、Q8s+、J8s+、T8s+、97s+、87s、76s、65s
- オフスート:A9o+、KTo+、QJo、JTo
HJ|レイズ率約28%

- ペア:33+
- スーテッド:A2s+、K4s+、Q7s+、J7s+、T7s+、97s+、86s+、76s、65s、54s
- オフスート:A8o+、KTo+、QTo+、JTo
CO|レイズ率約37%

- ペア:33+
- スーテッド:A2s+、K2s+、Q4s+、J6s+、T6s+、96s+、86s+、75s+、65s、54s
- オフスート:A5o+、K9o+、Q9o+、J9o+、T9o
BTN|レイズ率約52%

- ペア:22+
- スーテッド:A2s+、K2s+、Q2s+、J2s+、T4s+、95s+、85s+、74s+、64s+、53s+
- オフスート:A2o+、K6o+、Q8o+、J8o+、T8o+、98o、87o
これらは「常に必ずレイズする」という意味ではありません。
同じハンドでもレイズとフォールドなどを一定の頻度で使い分けることがあり、表は主な選択肢に簡略化しています。
細かな頻度は、参照元のチャートで確認してください。
SB・BBのレンジはどう考える?
SBは、ほかのポジションと少し考え方が異なります。

今回のソルバー条件では、SBまで全員がフォールドした場面で、次の割合が示されています。
| アクション | 割合 |
|---|---|
| レイズ | 約33% |
| リンプ | 約52% |
| フォールド | 約15% |
リンプとは、レイズせずにBBとの差額を支払って参加することです。
SBでは、必ずレイズかフォールドの二択になるわけではありません。
また、BBは相手のレイズに対してコール・3ベット・フォールドなどを判断します。
そのため、BBの防御レンジはオープンレイズとは別に考える必要があります。
プリフロップレンジ表の使い方3つ
レンジ表は、見るだけではなかなか覚えられません。
まずは次の3つを意識してみましょう。
① 自分のポジションを確認する

最初に、自分がどのポジションにいるのかを確認します。
例えば、A♠9♦というオフスートのハンドを持っていたとします。
今回のレンジ表では、UTGからのオープンレイズ対象には含まれませんが、COでは含まれています。
このように、同じハンドでもポジションによって選択肢が変わることを覚えましょう。
② 自分より前のアクションを確認する

次に確認したいのは、自分より前のプレイヤーが何をしたかです。
今回のレンジ表は、前のプレイヤーが全員フォールドした場合のものです。
すでに誰かがレイズしている場合は、そのまま当てはめることはできません。
例えば、BTNでA♥J♥を持っていても、UTGから大きなレイズが入っているなら、オープンレイズ表とは別の判断が必要です。
相手のレンジとベットサイズを確認しましょう。
③ レンジ表を基準に実戦の状況を考える

GTOレンジ表は、判断の出発点として活用できます。
ただし、相手が極端に多くのハンドで参加する場合や、ほとんどフォールドしない場合には、相手の傾向に合わせた調整が有効になることもあります。
こうした調整は、エクスプロイト戦略と呼ばれます。
また、スタックが短い場合やトーナメント終盤では、今回の表とは異なる戦略が必要です。
レンジ表を丸暗記するより、なぜそのハンドをプレイするのか理解することが大切です。
GTO Wizardなどの解析ツールを使い、ゲーム形式・ポジション・スタックを設定して比較する練習も役立ちます。
よくある質問
Q1. このGTOレンジ表はキャッシュゲームでも使えますか?
そのまま使うことはおすすめしません。
今回の表は、8人卓・40bb・BBアンティありのトーナメントを想定しています。
キャッシュゲームでは、レーキやスタックなどの条件が変わるため、対応したレンジ表を確認してください。
Q2. GTOのハンドレンジを覚えれば勝率は上がりますか?
適切なハンド選択を考える助けにはなりますが、勝率や収益の向上が保証されるわけではありません。
プリフロップだけでなく、フロップ以降の判断や相手のレンジも重要です。
Q3. 初心者はどのポジションから覚えればいいですか?
まずはUTG・CO・BTNを比較すると、ポジションによるレンジの広がりを理解しやすくなります。
最初からすべてのハンドを暗記する必要はありません。
まとめ|GTOプリフロップレンジはポジションから覚えよう
ポーカーのプリフロップでは、ポジションと手札に応じて参加するハンドを選ぶことが大切です。

今回の重要ポイントを整理しましょう。
| 覚えておきたいこと | ポイント |
|---|---|
| GTO戦略 | 相手に攻略されにくいバランスを考える基準 |
| ポジション | 早い位置ほどレンジを絞る傾向がある |
| ハンドレンジ表 | ゲーム条件によって内容が変わる |
| 実戦での判断 | 先行アクションや相手の特徴も確認する |
最初からすべて覚えようとしなくても大丈夫です。
まずは、**「自分のポジションでは、どのハンドで参加できるのか?」**を1つずつ確認してみましょう。
プリフロップの基本を覚えたら、次はフロップの理解も深めていきましょう。
関連記事:ポーカーのボードの種類5つ|特徴・見分け方と基本戦略を解説
手札だけでなく、ボードと相手のレンジを組み合わせて考えることで、プレイの判断をより整理しやすくなります。







